事業案内 風力発電

業務内容

風力発電はその賦存量を想定するために,サイトにおける風況調査が実施されます。計画時に発電量をできるだけ正確に把握するために,実際のナセル(ブレードと直結した発電機及び増速機が内蔵された筐体)の設置高に近い高さで調査したり,三次元の風況シミュレーションによる風況予測を行うこともあります。

一般的には年平均風速が5m/sec以上あれば経済ベースに乗ると言われてきました。近年は1基の規模が拡大傾向にあり,かつウインドファームのような複数基設置が多く見られます。

風力発電の仕組み
出典:風力発電ガイドブック(NEDO)

福井市国見元町 国見岳森林公園内 風力発電
福井市国見元町 国見岳森林公園内
2002年12月営業運転
地質調査、環境調査、設計担当
地上高:75m
最大出力:900kW×2基
2003年11月 第11回福井市都市景観賞 建築部門を受賞

技術紹介

風力発電の特質

風力エネルギーは次式に示すように,受風面積に比例し,かつ風速の3乗に比例します。このため,風速が2倍に増加すれば,発電力は8倍になります。このように発電出力が大きく変動すると,送電系統の不安定化を招き,電圧の変動により需要家の設備の安定操業に影響することが懸念されます。この対策として,蓄電池の設置やウインドファームのような複数基設置による変動の平滑化が行われます。

ここに,P:風力,m:質量,V:風速,A:受風面積,ρ:空気密度

また,日本海側の地域では落雷件数が非常に多く,全国件数の60%以上を占め,季節別では冬季が最も多く,冬季雷による被害が多くなっています。

落雷部位は,ブレード,観測機器(風速計・風向計などの風況センサー)に対する落雷が多く,避雷針への落雷は10%程度と比較的少ない傾向にあります。その他,輸送・設置スペースの問題,風資源の偏在(北海道・東北),バードストライク,騒音(ブレードの風切り音,低周波)が問題とされる場合があります。このようなことから,陸域から海上に設置範囲を広め,かつ大型化する傾向にあります。


出典:NEDO再生可能エネルギー技術白書