わたしたちの提案 小水力発電

小水力発電とは

通常の水力発電は、大規模ダムなどを建設し河川の水を貯めて発電しますが、小水力発電は、水を貯めることなくそのまま利用する発電システムです。
環境への負荷が少なく(クリーン)、少額の出費でまかなえる(ローコスト)、低炭素社会実現に向けた再生可能エネルギーのエースです。

小水力発電で水資源の有効活用を

小水力発電は、流れている水のエネルギーを利用するものであり、一定の流量と落差があれば発電は可能です。農業用水、河川維持流量、上下水道など無駄に流されている水エネルギーの活用が注目されています。

こんなところで小水力発電に注目!

農業用水の利用

農業用水の利用落差が大きく流量も豊富な場所はたくさんあります。落差が大きい地形には、用水を安全に通水するためにエネルギーを減じる落差工を設置しているところもあり、これを利用して小水力発電を行うことができます。

農業用水の利用

河川維持流量の利用

ダムからは常に一定量の放流が行われます。これは河川として機能を維持するために行われるものであり、放流する水を活用して発電することができます。

河川維持流量の利用

上下水道の利用

上下水道で落差の大きいところには減圧バルブを設置しエネルギーを逃しています。
この減圧バルブの代わりに小水力発電を入れることができます。

経済性のある候補地とは

候補地の中でも、流量が年間を通じて安定しており、有効落差を確保できる地点が経済性のある候補地となります。その中でも、工事コストが安くすむ地点、既得水利権が利用でき申請手続きの簡略化が可能となる地点についてはより良い候補地となります。

流量が年間を通して安定して、有効落差があるとは?

年間を通じて水量(流量)が増減しない、農業用水路(※非かんがい期は新規発電水利の取得が必要)やダム維持放流施設、水道設備(導水管や送水管など)などは安定した流量が見込まれ、また発電に必要な落差(有効落差)もありますので、有望な候補地点となり得ます。

既得水利権を利用できるとは?

川や水路などに流れている水は、原則その水を使用する者に対して、国や県などが使用許可を与えています。したがって、発電に使用する場合も必ず水を使用する許可を得る必要があります。ただし、すでに水を使用している者がその水を利用して発電を行う場合は、新たな水の使用許可(これを新規水利権といいます)を得なくても、既得の水利権(すでに許可を得ている水を使用できる権利)のみで行うことが可能な場合があります。この場合は、煩雑な法的手続きを簡素化することができるため、非常に有利となります。

工事コストが安くすむとは?

発電に必要な要素は、落差と流量ですが、発電事業を継続的に行う場合には、経済性(収益が見込めること)が大変重要になってきます。そのため、発電するための工事が多いと投資したお金を回収するための期間が長くなり、維持管理するために必要な経費が将来不足することにもなります。したがって、工事コストがかかりすぎない地点を選定することが大事です。(上記の経済性のある候補地を参照)

発電した電気の利用法(導入目的)

自家消費により電気代を削減

公共施設(避難施設)などにおいて、防災対策の一助として小水力発電施設を設置し、非常時の電源供給を行い(通常は施設の電源として利用(自家消費)、余剰分のみ売電する場合もある)

売電収入により各種事業の維持管理費を軽減

農業用水施設での発電の場合、売電した収入について発電施設の運転経費や維持管理費のみならず、土地改良区が管理する土地改良施設全体の維持管理費に充当できます。

小水力発電のメリット

安定した発電が可能

太陽光発電や風力発電は天候に影響されますが、水力発電は大きな影響を受けず、昼夜問わず安定した発電が可能です。また、土木設備の比率が高いことから、総合耐用年数が他の発電方式と比較して長くなります。
水力発電は、運転停止を伴う補修・事故停止が少なく、他の発電に比べて供給信頼度が高いことが特徴です。

経済面で総合的に優れる

原子力発電や火力発電に必要となる燃料が不要となり、長期的な発電コストが安定しています。また、水力発電は突発的な燃料価格の上昇に対しても影響を受けないため、経済性が高くなります。

環境に優しい

地球温暖化など環境問題への関心が高まる中、水力発電は二酸化炭素を排出しない環境に優しいクリーンエネルギーです。

北電技術コンサルタントの強み

開発支援実績

北陸地方は中部山岳地帯に接する地形により古くから水力発電開発が盛んでした。当社は北陸電力グループの一員として、水力発電の開発・保守・修繕の調査・設計を行っております。

当社は、これまで蓄積した電力土木技術を背景に、官公庁や土地改良区から、10~8,000kWまで数十件以上の小水力発電の発注を受けております。既存ダムからの維持流量、砂防ダムの遊休落差、農業用水路の落差工を利用した小水力発電所の調査・計画・設計において、豊富な経験と技術力をもとに最適な提案を行います。

山田新田用水発電所 水槽部

出力規模別支援実績

200kW未満・二上浄化センター小水力発電施設(10kW)
・東町・東新町公民館小水力発電所(88kW)
庄発電所(190kW)
・高瀬発電所(199kW)
200〜1,000kW・小摺戸発電所(370kW)
仁右ヱ門用水発電所(460kW)
中野放水路発電所(500kW)
山田新田用水発電所(520kW)
示野発電所(550kW)
庄川合口発電所(570kW)
・臼中発電所(910kW)
1,000kW以上・新早月発電所(1,300kW)
・広野発電所(1,400kW)
・山口発電所(1,900kW)
・中島第二発電所(2,400kW)
・新内川第二発電所(3,000kW)
・新枯淵発電所(3,600kW)
・新内川発電所(7,400kW)
新大長谷第一発電所(7,500kW)

農業用水

富山県の農業用水は、富山平野特有の地形の恩恵で、急流河川と豊富な水量により、水力発電に必要な、「落差」と「水量」がもともと存在しています。さらに、近年再生可能エネルギーへの取り組みが盛んになったこと、FIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)ができたことなどから、これまでは計画を躊躇していた地点においても、経済性(事業性)が良くなり、新たな開発地点として積極的に取り組まれています。

弊社は、発電事業における全国のリーディング県である富山県で、農業用水を活用した発電計画のサポートを積極的に行っております。

経済性の追求

発電事業の収入額は「発電量×売電単価」で決定するため、事業開始後は大幅な収入増を見込むことはできません。初期投資額や維持管理費が過大となると初期投資の回収年数が大幅に増え、事業の継続性が厳しくなります。

弊社では、経済性の評価(単年度収支や投資回収年、内部収益率などの検討)を十分に行い、初期投資額(調査設計費、建設費)の抑制や維持管理方法について検討しています。

北陸最多の技術者数

電力土木分野の技術者はその特殊性から、道路や河川・砂防などの技術者に比べて少なく、全国的にも希少な技術者です。当社は電力土木分野で技術士4名、RCCM7名の有資格者を擁しています。

技術者紹介

第二土木部 部長
大江正道
技術士(電力土木)

1996年に始まった新大長谷第一発電所再開発に参加して以来、数々の小水力発電事業に携わってきました。大江が統括する設計第四グループでは常時10地点程度の設計を進めています。

「小水力発電の設計にあたっては、少しでも経済的に、大きな発電出力が得られるように心がけています。お客さまの要望を真摯に聞き取り、期待以上の結果をだせるように日々取り組んでいます」

第二土木部
部長
大江正道

許認可手続きを熟知

水の利用については河川法に基づく許認可手続き、電気の発電・利用については電気事業法に基づく許認可手続きが必要ですが、関係機関との連絡・調整・申請に万全を期しております。

事業化までの流れ

候補地の選定から維持管理まで、北電技術コンサルタントが全面的にサポートします。

1.ご相談・お問い合わせ

素朴な疑問の解決のお手伝いをします。

小水力発電の可能性のある場所や計画の進め方など、発電に関するご不明な点をご相談ください。

2.発電計画の調査

発電候補地の選定のお手伝いをします。

発電候補地の流量資料、有効落差、周辺環境、立地条件、アクセスの可否などについて現地を調査し、経済性のある候補地であるか検討します。

3.概略設計

現地調査の結果を踏まえて、経済性・事業性のある地点かどうかを見極めるための概略設計のお手伝いをします。

まずは、土地改良区などで管理されている水使用に関する資料(これを流量資料といいいます)を参考にして、発電に使用できる水量を算定します。
次に、水を取水する地点と発電を行う地点での利用可能な高低差を地図や現地測定などにより算定します。この算定した数値をもとに、水車・発電機の選定、発電規模と電力量の検討、概算工事費の算定を行います。その結果、事業を行うのに必要な費用(建設費や維持管理費)と発電した電気による売電収入との差額を比較し、プラスとなる場合は事業化へ向けた計画を、マイナスとなる場合には事業計画の見直しや課題解決の検討を行います。

4.基本設計(許認可手続き)

監督官庁への許認可手続きのお手伝いをします。

発電事業を行うには、煩雑な法手続がいくつも必要となってきます。主なものとして、電気事業法や河川法などがあります。計画を進めていく上で、法手続を申請する監督官庁との協議が重要になってきますので、おおまかな計画(基本設計)ができたころから、関係者との協議・相談をすることが大切です。

・許認可申請と基本設計の関係
基本設計では、発電施設の平面配置図や構造図、設備図など概ね発電施設の内容が分かる程度の設計図書を作成し、施設の規模を決定します。その上で、経済性についても再確認し、事業を進めるか否かについて決定します。

・基本設計について
既に水を使用する許可を受けた農業用水路を利用した発電では、比較的許認可手続きが簡素化されていますが、新たに水の使用許可が必要な地点では、標準的な申請処理期間が5ヶ月とされています。

5.実施設計

コスト削減のお手伝いをします。

発電事業を継続的に行っていく上で、建設コストを削減することは大変重要になってきます。それゆえ計画した内容が適切なものになっているかどうかを再確認し、特にコスト削減ができることがないのか慎重にチェックし、経済性が高まるようにします。また、これまでの実績を生かし、建設コストを下げるために助成制度の活用や発電規模および水車、発電機の再確認を行います。特に水車発電機はアフターメンテナンスも考慮し慎重に選定します。

6.工事監理

安全かつ着実に工事を進めるためのお手伝いをします

土木・建築工事以外にも、電気工事や機械の据付など様々な工事が輻輳します。
当社は北陸電力グループの一員として、発電・変電設備の設計・施工を業務とするグループ企業と連携し、安全・着実な工事を遂行します。
また、経済産業省や国土交通省など関係機関の検査にもベテラン技術者が対応します。

7.運転・維持管理

安定的に発電するためのお手伝いをします。

北陸電力グループ各社と連携し、監視・制御システム の構築・施工や電気主任技術者による保安管理業務を通じて、お客さまの発電設備をサポートします。

実績紹介

出力規模・設置場所別の実績

設置場所別

ダム

新大長谷第一発電所実施設計1998年度、1997年度、1996年度、1995年度富山県