安川発電所更新実施設計
業務概要
本業務は、庄川沿岸用水土地改良区連合が管理する安川発電所において、施設の老朽化等により水車・発電機の更新を行うにあたり、発電所基礎の改良や放水路の改良等の詳細設計を行うものでした。
施設の概要
安川発電所は庄川合口ダム右岸より取水された農業用水を活用し、最大使用水量4.00㎡/sを取水しております。取水された水は約400mの水圧管路にて導水し、有効落差24.30mを得て、最大出力640kWを発電する流れ込み式の発電所です。


土木設計の特徴(設計のポイントなど)
ポイント① 最低限の取壊し範囲
安川発電所は横軸フランシス水車を採用しているので、水車の一部が発電所基礎に埋まっておりました。そのため、水車を更新するためには取壊す必要がありましたが、極力既存の発電所基礎に影響を与えないように必要最低限の取壊し範囲としております。

ポイント② 放水庭の掘下げ
更新後のドラフト管(発電に使用する水を放水面まで接続する管)の配置計画では、既設の放水庭では深さが足りず、放水庭敷きを掘下げる必要がありました。
施工にあたり、コアボーリング工法による既設の放水庭の壁と縁切りを行うことで既設の放水庭側壁に影響を与えず、放水路敷きのみを安全に掘下げる計画を提案しました。
ポイント③ 最適なレイアウトの提案
本発電所の建屋の建替えは行わない方針のため、既存の建屋内に更新する水車・発電機を納めることが条件でした。当初、機器更新メーカーによる水車・発電機の設計案は既設より寸法が大きいものであり、配置すると所内レイアウトや動線、メンテナンス性に欠けるものでした。
そこで、機器更新メーカーと協議しながらコンパクトな配置案を実現し、今後のメンテナンスに支障がないようにしております。

担当者から
本発電所は施設の更新計画が立ち上がった時から携わらせていただいていました。固定価格買取制度の適用に必要な申請書類の作成業務をはじめ今回の詳細設計を委託されたものでした。更新計画段階から詳細設計まで携われたことは大きな経験になりました。
現在、工事の実施中ですが、無事に運転を再開できるまでご協力させていただきたいと考えています。
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