実績紹介

水力発電

子撫川ダム河川改修管理用発電設備詳細設計委託

2024年度 / 富山県子撫川ダム管理事務所

業務概要

本業務では、子撫川ダム管理事務所が管理する子撫川ダム管理用発電所のリプレース工事の実施に向け、基本設計に引き続き詳細設計を行っています。本業務では、機器更新(水圧鉄管、電力ケーブル等)の詳細設計を行うとともに、必要となる許認可手続き等についても対応を行っています。

施設の概要

子撫川ダムの管理用発電所は、子撫川ダムを貯水池とするダム式発電所で、昭和60年に完成し、運転を開始しています。堤体左岸の低水放流設備(取水口、水圧トンネル、水圧鉄管、放水路トンネル)を利用し、ダム下流に放流される流量のうち、最大0.50㎡/sを用いて、水圧管路末端に設ける地下式発電所により最大有効落差23.35mを得て、最大出力80kWの発電を行っています。

土木設計の特徴(設計のポイントなど)

ポイント① 現地状況にあった施工方法の提案
 発電所基礎の取壊しは、主要機器周辺のみの取壊し範囲(最小限)とすることで、経済性および工期短縮等を重視した設計を策定しました。

監査路 傾斜部
発電機室

ポイント② 電気設備関係の再配置・整理
 既設のケーブル布設状況を確認した結果、ダム管理用と発電設備用の配線が混在し煩雑になっていたため、維持管理の効率化を図るべく、ケーブルルートの再設計を行いました。併せて、腐食の進行していたケーブルラック等の設備についてはリプレース工事に併せて更新することを提案し、信頼性と安全性の向上に寄与する提案をしています。

ケーブル布設状況(洞道内)
ケーブル布設状況(監査路内)

ポイント③ FIT申請に係る必要資料の作成
 「既設導水路活用型」区分でのFIT申請を行うために必要となる技術資料の作成も担当しました。2024年度より新たに住民説明会の開催が認定要件に追加されるなどの制度改正にも対応するとともに、地元や行政との調整を見据えた資料整備を行いました。

担当者から

 本業務は長期運用された小水力発電所の設備更新に向け、多様な課題に対して個別に丁寧な対応が求められた業務でした。特に、現地施工条件の制約があった箇所については何度も現地に足を運ぶことで現地状況に即した設計を実現できたと考えております。
 現在リプレース工事が進められており、2025年度内に運転開始予定です。工事完了まで可能な限り協力対応していきたいと考えております。